信じられないけれど。会ったこともないネット友達に人生を変えられた話。

茶々

こんにちは、現在20代女性の茶々です。
今から半年ほど前に出会った彼との話をさせていただきます。

現在も続いている交友についてあげさせていただくのは少しリスキーかなと思いましたが、私の人生を変えたくれた大切な人なのでぜひ形にさせていただきたいと思いました。

同じ病を抱えた彼との出会い、そして理解できるからこそのぶつかり合い、気づけば大切な存在になってしまっていた人との繋がりを見ていただけると嬉しいです。

ネット友達との出会い。

私は配信アプリや音楽投稿サイトで積極的に活動を楽しむ普通の学生でした。

家族との相性が悪く早いうちから1人暮らしを始めたものの、愛されている自覚はあったので、どうしてもはなれきれない私。
偏見を受けやすい性格から学校でもうまく楽しめなかった私。
そんな私を癒してくれるのが配信でした。

見たこともない人と繋がる、認めてもらえる、なんでも受容してくれる彼らとの出会いは新鮮で生きる糧でした。
そこで出会ったのが彼です。

その頃私はうつ病が原因で仕事を休んでいました。
それはさすがに心配をかけてしまうということで私のファンにはいえないでいました。

そんな時、なんとなく私の話し方から、控えめで自信のなさが伺えたと近況を心配してくれる彼が現れました。

彼は私の一つ年下で、私と同じように家族との不仲をかかえ、精神的な病を患っていました。
ネットの友達だというのに嘘をついているような感じはなくすぐに意気投合。
一晩寝ないで自分の状態を包み隠さず話してくれました。

「自殺したいと思った頃からどう抜け出したか」
「今でも死にたいと思うことはある」

と赤裸々に語ってくれたことで私もかなり話しやすくなって、途中で涙が止まらなくなりながらも話す私の言葉をしっかり聞いてくれました。
それが今の彼と私の出会いです。

依存

私と彼との電話は毎日続きました。
私が不安になるたびに話を聞いてくれるところからははじまり、止むを得ず私が実家に帰るようなことがあると心配して電話をかけてくれたり、何気ない近況を報告しあったり。
もう配信での繋がりだったり、お会いしたことがない存在ということも忘れてしまうくらいに大切な人になっていました。

そんな中、彼が正社員として働き始めることになりました。
今までは日中時間があって、朝から晩まで話せていた時間がなくなる…そう思った時私は生きて行くのが怖くなりました。

「また1人になる」
「ずっと電話で繋がっていられないということは、私が死んでも彼は気づかない

そう思うと途端に寂しくなりました。
それでも数日後から大きく生活が変わる彼の邪魔にはなりたくなくて、私はグッと我慢しました。

案の定仕事を始めたばかりの彼は、自分に余裕がなく、私の話を聞いてくれていた頃の懐の深さはなくなってしまいました。
今度は私が彼の不安を取り除くんだ、と私が聞き手に回ることに。

それでも私自身の心もしっかりと安定していないまま。
これではお互いの存在がお互いを妨害してしまう。
そう思いました。

喧嘩

「俺に気を使わないで。」
「や、そっちこそ…」

気を使われたり遠慮させたりすることが嫌いな気遣い屋の2人だからこそ、なんとなくギクシャクした関係に苛立ち始めました。

私が働こうとすると

「またそうやって無理する!
そんなんで病気よくなるわけないじゃん!

もちろん心配からくる忠告なのはわかっています。

彼も若い頃に相当な辛い生活をしてきたから。
それでも私は働き盛りの年齢で、おとなしくしていることの方が苦痛なのです。

私はあなたじゃない。
それはわかってほしかった。

何度も何度もそれでぶつかりました。

「病気同士の付き合いは、どちらかが落ち着いてる時は成立するけど、お互いにうまくいってない時は関係も崩れるよ
その言葉に突き放されたような気がしました。

周りの友達やカウンセリングの先生に相談しても「異性関係」として認識されてしまうけれど、私たちはそういう関係じゃないと思っているんです。
お互いを大切だと胸を張って言える、そしてお互いの生活に、人生に関わってしまったパートナーのようなものだと思っています。

彼ともめた時、彼が冷たい時、彼に自分の考えを押し付けられた時は、悲しくなります。
もちろん彼の言葉には救われてきたから。

やっぱりそばにいたい

2人の関係が少しずつ崩れ始めて、私は考えるようになりました。
今までお付き合いしてきた人のように、ゆっくりフェードアウトして、ここまでの関係をなかったことにしてしまおう。

要は自然消滅
こちらから連絡を取らなくしていけばいつか彼は諦めて何もなかったことになる。
お互いが忘れた頃に心から健康な人に出会えばいい。

そう思っていました。

ある日彼が突然電話をかけてきました。
なんだか久しぶりな感じがしました。

「俺のこと避けてる?」

核心に触れられてどきっとしました。
それでも私は自分の言葉で相手を傷つけることを極端に嫌うわがままな女なんです。

「避けてないよ。
でも…終わりにしようかと思ってた。
そこまで伝えても彼は何も言いませんでした。

「私はあなたを傷つけたし、きっとこれからいても依存して迷惑かける。
あなたが本当に頼りたい時に助けてあげられる自信がない。
こんなにたくさん助けられたのに、私は何もできてない。

だから連絡取らないようにして忘れてもらいたかった。
もう義務感なんかで助けてくれなくていいし、私は私らしくちゃんといきるから。
だからあなたのことは切るというか、知らないうちにいなくなろうと思った、ごめん。」

思ったことを全て話しました。
泣きながらだったので聞き取れたかはわからなかったし、彼がいなくなったら不安定にならずに生きていける自信がありませんでした。

「誰か私を轢いてくれ。」
「誰か私を通りすがりに刺してくれ。」
と他力本願な死に方ばかりを考えていた私は、この時点では彼と縁を切ってもまともに生きていく希望はありませんでいた。

「でもさ、俺は切りたくないよ?
と彼が一言。

「俺普段は連絡しないし、電話なんて滅多にしないし、でも茶々さんとはそれができる。
証明じゃない?
言わなきゃわからない?」

彼は私の緊迫感とは別の雰囲気を纏っていました。

俺まだ教えてもらいたいこといっぱいあるんだよ。

音楽のこととか配信のこととか。
栄養のことも詳しいし、前してた仕事のこととかさ。
たまに君はおかしなこというから面白いし…。

だから」

「切らないでよ、茶々さん」

懇願するような声に私は一瞬で目を覚まされたような気がしました。
わかりやすい愛情表現でしか愛されてる自覚ができなかった自分を恥じました。

自分の生活を割いてまで私の人生に影響してくれた。
それがれっきとした答えだったのに。

「それからさっき私はなにもできてないって言ってたけど、茶々さんと話しててメリット無かったら俺はこんな優しくしない。
刺激ももらってるし、守りたいと思う。

もちろん俺が手を貸してあげられない時もあるけど、俺は失いたくない。
頼むからわかってよ」

こんなことを言わせてしまいました。
もっと自分に自信を持っていられたら、彼にそんなさみしい思いはさせずに済んだかもしれないと自分の視野の狭さを悔いました。

これが今の彼との出会いです。
私も彼も初めて電話で話した時よりかなり明るく考えも前向きになってきています。
無理することは許されないけど、彼が厳しいのは、純粋に私を心配してくれているからだと思っています。

自殺願望は自覚がありません。
後になって、「あの時は・・・」と思い出すものだということがわかりました。

私は今、彼のおかげで生きています。
ここまでは彼には話していません。
(人の運命を変えてしまったと責任を感じさせてしまうかもしれませんからね!)

これからもお互いを支えるパートナーとしての関係でいられたらいいなと思っています。
本当に生きててよかった!