まお
営業、販売の仕事をしています。
普段は周りからよく“いい人”“まじめ”と言われる事が多く、生徒会長や部活のキャプテンをしてきた私が彼氏にフラれ、自殺しようと思った時、ネット友達に助けられた話です。
よかったら最後まで確認して頂けると嬉しいです。
出会い
“まおは本当にいい人だよね”、私はよく周りからそんな風に言われる。
幼い頃、人から褒められることがただ嬉しくてしていた事が、いつしか私の“いい人”のイメージを作ってしまった。
私はそのイメージを崩さないように、どこかいつも演じていた。
周りを常に気にするようになって、人一倍ストレスを抱える日々をずっと過ごしていた。
そんな日々の中、勿論周りには秘密にしていたが、溜まったストレスの発散がひとりエッチだった私は、よく携帯で体験談などの小説を読んでいた。
ある日、サイトに掲示板があるのをみつけ、興味本位で「イメプレできる人」と投稿してみた。
何人か返事はあったがあまり話ははずまず数回のやり取りで終わった。
やってみたけどあんまりだったな、そう思ってやめようと思ったとき、
「こんな時間まで起きてて大丈夫?」
と連絡をくれたのがとおるだった。
自分の欲望のままに連絡する人ばかりだった中、何だか意外でその後も何度か連絡をとるようになっていった。
二人の関係
二人の関係は友達とも彼氏とも少し違うものだった。
普段人前で優等生な私は勿論下ネタは話さないし、そんな会話にも入らない。
でも彼の前では欲望のままに自分を出せている気がしていた。
ある日、理不尽な仕事を押しつけられた私は、行き場のない苛立ちを抱えていた。
そんな時ふと彼の事を思い出し、“会ったこともないし、会うこともないから”と、言葉を選ばず一方的に溜まっていたことを送りつけてしまった。
“嫌な気持ちにさせたかな、もう返事もこないかもしれないな” と思っていたとき、
「そんな事があったんだ、大変だったね。まおは悪くないから大丈夫だよ」
と返事があった。
取り繕わずに曝け出した私を受け入れてくれた事がなんだか嬉しく感じた。
そこからひとりエッチの時以外でも日常の些細なストレスを聞いてもらう、不思議な関係になった。
彼氏との別れ
合コンで出会った人と付き合うことになった。
彼は一途に私の事を愛してくれる人で、私もそれが嬉しかった。
毎日のように連絡して、休みの日はいつも会っていた。
そこから3年付き合い、私の事も理解して信じてくれていると勝手に信じていた。
私も彼の事が大好きで、無くてはならない存在になっていた。
今思うと嫌われるのを恐れて、気になることは見ない振りして良い所だけ見てしまっていたんだと思う。
ある日仕事で大きな事件が起き、詳しくは言えないが事業が頓挫するかもしれない程の一大事だった。
その事は彼氏にも相談はしていたがやはり当事者ではないので、問題を解決したかった私は職場の先輩に連絡して、会って相談に乗ってもらった。
その人は男性だったが子供もいるし、お互い微塵もそんな気もなかったので、やましいことなど勿論何もなかった。
だからこそ彼氏にも話の流れで話した。
その結果、想像もしていなかった言葉が返ってきた。
「お前浮気したんか??」
耳を疑った。
何故仕事の相談をしただけで浮気になるのか。
「仕事の事で先輩と相談していただけだよ」
本心のまま話した。
でも、、、
「そんな事したらいい気せんの普通わかるやろ!!俺の立場がないやんけ!!」
「今仕事が大変なのは分かってるでしょ? 私のことより、浮気されたからどうかが大事ってこと??」
「そうや!!」
、、、えっ??
大切に思ってくれてると思ってこれまで付き合ってきたのに、ただ独占欲が強いだけだったの??
「こんな喧嘩になるなら言わなきゃよかった、、、」
ショックを隠せない私に、彼氏は追い討ちをかける言葉を放った。
「じゃあ、後悔して死ねや!」
そして彼氏は合鍵を投げ捨てて帰っていった。
頭が働かなかった。
私何か悪いことした、、、?
3年も付き合ってたのにこんな事で終わってしまうの?
側から見たらただの別れ話だと思う。
でも彼氏にいつのまにか依存しまくってしまっていた私はそんな風に思えなかった。
自分の存在全て否定された気になった。
でも、こんな時でも周りからの見られ方を気にする私は友達に相談すらできなかった。
ネット友達の支え
気持ちが悪くて吐いた。
手が震えていた。
これまで頑張っていた気持ちがふと切れてもうどうでも良くなってしまった。
あいつの言った通り死んでやろうと思った。
それで後悔すればいいと思った。
最後にこの気持ちを誰かにぶつけたいと思った私はふと、とおるの事を思い出した。
「死にたい もう何もかも嫌になった」
そう送るとすぐに返事がきた。
「久しぶり、まおどうしたんや?」
私はこれまでの事を全部伝えた。
「そうなんや、そんなひどいやつやったんやな。
信じてたのにそんな風に言われたらショックやな、死にたくなる気持ちもわかる、でもそんなしょうもないやつの為にまおが死ぬ事ないんやで」
夜中にこんなに重い内容なのに、優しくしてくれるのが嬉しかった。
「何で会った事もないのにそんな事言ってくれるん?いつもグチしか送ってなかったのに」
嬉しい反面、不思議でとおるに聞いた。
「そうやな、でもまおのストレスはいつも周りの事を考えてがんばってるからこそのストレスなんやなって思ってた。
曝け出してくれてたからこそ良い子なんは俺が分かってるし、そんな男に捕まったのはたまたま運が悪かっただけや」
「そんなやつに何言われてもまおの価値が下がる訳じゃない。
そんな事で死ぬ事ない。
大丈夫、俺がそばにおるから大丈夫やで」
嬉しくて涙が溢れてきた。
会ったこともないのに、グチしか送ってなかったのに、そんな風に思ってくれていたのかと思うと、私はとおるの愛情に救われ思いとどまることができた。
その後
とおるとはその後もたまに連絡をとっています。
リアルの友達だからできることもあると思いますが、でも、私にとって会ったことがない、私に対しての固定概念が全くない相手だから曝け出すことができました。
そういう意味ではネット友達も大切だなと、身をもって感じています。