うさぎ
こちらでは、10年近くネット上での交流がある稀有な関係の異性とのエピソードをお話します。
恋愛感情に近いような、そうでない別の関係なような、形容しがたい不思議な関係性。
あなたはこの関係性をどんな風に感じるでしょうか?
私の稀有な関係な異性との出会い
私にはネットで出会ったとても便利で親切な異性の友達がいます。
10数年前、私はある動画配信サイトでゲーム実況動画をアップしていました。
それを見てくれた一人のリスナーさんが、動画配信サイトの私のプロフィールを辿ってSNSでコンタクトを取ってきました。
動画を通じてネット友達が増えることは、よくあることでその人との私の稀有な関係な異性との交流が始まりました。
その人をらくださんと呼ぶことにします。
らくださんは私の他のイラストや漫画などの活動を熱心にチェックしてくれて、アマチュア作家と熱烈なファンといった間柄のようになりました。
(当時は漫画家志望でした)
また趣味や考え方も共通することが多く、SNS上での話題に互いに会話をやりとりしていました。
しかも趣味や雑談の話題だけではなく、これってなんだろう?や、市役所のこういう申請ってどうやったらいいんだろう?みたいな身近な疑問もつぶやくとそれについてすぐに反応して答えてくれました。
頼んでもいないのに、なんて親切なんだろう!
まるで執事さながらとお嬢様(当時私はすでに20代後半でしたが)のような関係性で、「じい!」と要望を伝えたらできるだけの情報や意見をくれるのでした。
これがらくださんとの最初の関係性です。
何年か交流しているうちにだんだんとらくださんは、少し年上の男性で医療品の販売関係の仕事だということもいうことがわかりました。
年単位で交流しているというのにそれ以上のことはわからないとも言えるかもしれません。
私はSNSで個人が特定されない範囲で趣味や身の上のことをよく話しますが、らくださんは他人とのやりとりが中心であまり自身の話をされることは少なかったからです。
好意を持っていて、このように接してくれるのだろうかとも思うこともありましたが、他の人との関わりを見ても誰に対しても親切で情報を探そうとする人のようでした。
そうすることで、らくださんもいろんなことに関心が広がり自身の知識を広めていくような知識欲の高い人のようでありました。
会いに行くか行かざるべきか
それから私は別の男性とお付き合いを始め、ある観光名所に旅行へ行くことになりました。
らくださんがその観光名所付近に住んでいるということを知っていたのでこの際会ってみようかという気持ちになりました。
ですが、実際はお付き合いしている男性との旅行なので長年の付き合いとは言え、男性の知人に会うのはどうだろうか?という思いもありました。
この頃の私は稀有な関係な異性にただの異性のネット友達とはいえない感情を抱いていました。
観光名所とはいえレンタカーで何キロか移動しないと会えない距離でもあったので、旅行のスケジュールを考えると少し難しいかもしれませんでした。
お付き合いしている男性に提案をしてみたら問題はないよと言ってくれましたし、らくださんも販売店に来れたら来てもいいよ、くらいのやりとりでした。
変な話、お付き合いしている男性に会うより前から交流のある男性で私も少なからず、好意に近い感情もないわけではありませんでした。
このような趣味を通じてネット上で知り合った友人というのは、やはり趣味のイベントなどを通じて会ったりするものですが、今回は本当に会いにいくのが目的で行くような形になるのです。
本名も知らないし顔も見たこともないので少し複雑でした。
実際に会うのも不安ですし、私に普段から普通考えられないくらい親切にしてくれている手前、会ったらがっかりさせてしまわないかという不安もありました。
お店だけちょっと覗いてみようか、店先にお土産とか置いて驚かせてみようかと色々考えながら旅行をしていました。
レンタカーで走り、あと数キロでらくださんのお店だ。
頑張れば会いに行けるかな、変な格好していないかな。
仕事中のお店に行ったらやっぱり迷惑かな。
見える景色はそんなことを悩んでいるのがバカみたいに思えるほど、とても綺麗な海でした。
結局はというと、私とらくださんは会うことはありませんでした。
どうして会わなかったのかというと、やはり今の関係性がとても居心地がよく、ある意味これ以上親睦を深めなくても充分に信頼し合ってると思ったからです。
私とネット友達のその後
らくださんとは今でもSNSで交流があります。
私が、こんなことをしたよ!とつぶやくといいね!をたくさんくれます。
さらに、絵などをあげるとRTをしてくれます。
こんなに私という人間を全面的に肯定してくれて元気づけてくれる人はいません。
現在結婚した主人よりも長く、私を見てくれ親身になって考えてくれる今でも私の稀有な関係な異性です。
これからもSNSでつながっている限り私の人生に関わってくれて、便利な「じい」を勤めてくれると思います。
私はいつの日か、何を聞いてもすぐになんでも答えてくれるらくださんに対してこう親しみを込めてこう呼んだことがありました。
大事な「my dictionary」(私の辞書)