杏
この記事が私が中学2年生の頃に起きた話。
昔から登録していたチャットサイトで出会った5歳年上のあいつに助けてもらった時の話です。
最後まで読んでいただけると幸いです。
リアルな私
私の名前は杏。
中学2年生で反抗期真っ最中で親もうざいしクラスのみんなとも馴染めないというか軽くいじめられていた。
女子に無視されたり、ちょっとした連絡事項を教えてもらえなかったりしていた。
私が誰のために何のために生きているか分からなくて辛くて、でもそんな私だけど唯一楽しみにしていることもある。
それは、「チャットサイト」っていって色んな人と話せるサイトでキャラクターを選んでそのキャラ同士で会話できるんだけど、そのチャットの中にもグループがあって私もそのグループの一員で年齢だって住みだって全然違うからすごく楽しくて、チャットサイトにはまっていた。
ネットの中の私
リアルでは引っ込み思案だけど、ネットでは自分が伝えたいことや積極的に色んな人と話したりと結構真逆できっとリアルでできないことをネットですることでストレス発散をしているんだと思う。
勿論、自分がされたり人が嫌がる事なんて絶対言わないし。
それがネットのルールだから、ルールを守って楽しくいつもチャットしている。
みんなと仲いい私だけど実は気になっている人がいて、5歳年上の海斗。
リアルのことはあまり聞いたことないけど彼女はいなくてパリピっていう感じでもなくて私みたいに陰キャっていうわけでもなくて・・とにかくカッコよくて優しくて筋が通っていていい人だ。
彼とは結構ずっと話している。
女子の中では一番仲が良いと思う。
ある出来事。
リアルの私はいじめが酷くなっていて体操服がなくなっていたり、上履き隠されたりなどしていて気持ちが参っていた。
その日は結構ひどいことされて、お手洗い行くと上から水が落ちてきたり、着替えようと思ったら体操服もなくなっていて、机にもうざい、なんて書かれていてもう心が疲れていたから鞄をもって体操服を探してから先生に体調悪いから帰ると言い早退した。
帰ると母親は出掛けているようでびしょびしょだった制服と汚れている体操服を洗濯してから干して少しぼーっとしてから親が作ってくれたお弁当を食べて、洗ってからふと思った。
「あー自殺しちゃお」
って思って浴槽に水をためて刃物で手首を思いきり切り、腕を浴槽にいれ意識が途絶えた。
ふと起きるとそこは病院だった。
私が腕を切った後すぐ母親が帰ってきたようでお風呂場の私を見てすぐ救急車を呼び運ばれたらしい。
2日くらい入院をしてから自宅に帰りなぜこんなことしたか聞かれたから素直に答えて、転校したいと伝えると転校するのは良いけど先生に虐めの事訴えよう。
って言われて無駄じゃん・・と思ったけど親の言うことを聞くことにした。
パソコンを開くと海斗がINしていて3日くらいINしなかったら心配してくれていた。
私は自殺未遂したことと虐められている事を話すと海斗は何を言えばいいのか分からない様子で、すぐ話を変えてくれた。
救われた私
それから私は1ヶ月だけ学校を休ませてもらう事にして、気持ちの整理もつかないし行きたい気分ではなかったから。
その代わり家で学校にいるときと同じように勉強はちゃんとすることを約束して休ませてもらった。
10時から16時くらいまで勉強してお家の事してからチャットINしてみんなと話してというのを1週間した頃海斗から呼ばれて二人で話すことになった。
海斗:急に呼び出してごめんな。今日は杏に話したいことがあってさ、呼んだんだけど聞いてくれるか?
杏:うん。もちろん。
海斗:俺も昔さ杏みたいに虐められていて、理由は俺の容姿がデブで肌荒れで汚くて陰キャのせいでクラスに馴染めなかったっていうのが理由でさ、学校行けなくなった。
海斗:そんな時俺に助言くれたのが杏がここに来る前のネット友達でさ虐められたくないなら今の容姿を変えてやれ。
イケメンになって虐めてたやつら見返せって言われて。
海斗:そんなんじゃ虐めが収まるわけないじゃん・・と思いつつも言われた通り自分磨きしてみた。
170cmで90kgあってさ流石に酷いだろ・・。
ダイエットスタートしてさ。
海斗:55kgに落とした。
死ぬほど運動して食事も母ちゃんにバランス良いものにしてもらって間食もやめてそしたらみるみる痩せてさ、次に皮膚科行った。
海斗:ニキビで肌ボロボロになってたから、病院言って薬もらってビタミン飲んだりしっかり保湿したりしてちゃんとケアしたらどんどん良くなっていったんだ。
海斗:それから美容院に行って流行りの髪型にしてもらって雑誌買って服も流行りのものにしてもらってさ、これを半年続けて久しぶりに学校行ったら、皆驚いてた。
海斗:自分磨きしている間に勉強もそれなりにしていたから全然ついていけてたし、変わった俺をみんなはちやほやするけど俺はガン無視して虐められてた頃ずっと傍にいてくれた友達と関わってそのまま卒業した。
海斗:っていう話なんだけど、出来すぎているかもしれない。
でも俺は変われた。
海斗:杏はここまでしなくていい。
顔見たことあるけど肌綺麗だし髪も綺麗だし可愛いし。
自分でなんで自分に自信ないのか、どこがコンプレックスなのかとか色々考えてみな。
海斗:それで頑張ってもダメだったら転校してさ、新しく友達作ればいい。
でも今のままじゃ転校しても変わんねえぞ。ってこと。
杏:海斗色々ありがとう。
私少し頑張ってみる。
私はお母さんに頼んで美容院に連れて行ってもらったりずっと気にしてた肌荒れ直すために皮膚科行ったり自分磨きをしてみた。
1ヵ月間頑張ったおかげで自分にも少し自信持てた。
そのまま学校行くとみんな驚いていて色んな子から可愛くなったね。
と言われたが虐めてきたやつも手のひらを返したように話しかけてきたので無視した。
あれから私の周りには素敵な友達もできて学校生活も楽しく過ごせていて、海斗に報告すると褒めてもらって嬉しかった。
あの時助けてくれたのは先生でもなく友達でもなく海斗だった。
ありがとう。大好き・・。
と心の中でお礼を言いながら学校ライフを楽しんだ。
おわり