なっちゃん
22歳、彼氏いない歴7年のなっちゃんです。
この記事は今から約6年か5年くらい前のお話。
Twitterで知り合った一つ年上の高校生、「きーくん」との思い出を話します。
大阪と愛知、全く違った場所に住んでいた二人。
しかしながら距離は離れていてもネットという場所で知り合い、もともと同じ出身であったことから仲良くなった二人。
お互いの悩み相談をできるほど信頼し合っていた私たちの友情がどうして壊れてしまったのか。
もしよければ、読んでいただけると嬉しいです。
ネット友達、きーくんとの出会い
ネット友達、「きーくん」との出会いは私が高校1年生になってすぐのころ。
Twitterで仲良くしていた「ニャン吉」がリツイートした「フォロワーのフォロワーと繋がりたい」(確かこんな感じの)タグで私たちは繋がりました。
きーくんは愛知在住、私は大阪在住、ニャン吉はオーストラリアと住んでいるところはバラバラ。
ですが、全員育ちが愛知県であったこと、きーくんの通っていた高校が私の幼なじみが通っている場所と同じだったことから意気投合して仲良くなりました。
いつもくだらない日常の話をしたり、軽い調子で会話したり…。
しかし最初こそ取るに足りないような会話しかしていなかったものの、付き合いが長くなるうちに私たちは様々な話をするようになりました。
中学の頃には学校へ通えなかったという私の話をきーくんは聞いてくれて、きーくんは暴力を振るいがちな母親の話を私にするようになっていって…。
私ときーくんは住んでいる距離こそ離れていて、顔も見たことのない、聞いたことのない人物でしたが、悩みを話し合い、痛みを分かち合える親友ともいえる存在になっていたのでした。
きーくんに告白される、の巻
しかしながら、男女間に友情は成立しないというのは本当だったのでしょうか。
私が高校生になってから約8カ月付き合った彼氏と別れた1カ月後、突然きーくんから告白を受けたのです。
予兆がなかったわけではありません。
恋に恋をし浮かれポンチだった私がきーくんに恋の相談をするたび、きーくんの反応はなんだか冷たいものだったり、別れた後は逆にテンションが高かったり…。
だけど私にとってきーくんは親友以上のものではなかったし、何よりある一つの「理由」からきーくんは絶対に恋愛対象外でしたから気づかないふりをしていたのです。
恋愛には人それぞれの価値観があるもので、好きな相手に引っ張っていってもらいたいという人、好きな相手には自分についてきてほしいという人。
それぞれいると思いますが、私は相手に引っ張っていってほしいタイプで、相手には女の子扱いしてもらいたい、甘えるより甘えたいというタイプなのですが、しかしながら、きーくんは違いました。
「ずっと前から好きでした!僕の彼氏になってください!」
これが、きーくんの告白の原文そのままです。
間違いないように言っておきますと、この当時私は花の女子高生で、きーくんは男子高生でした。
「彼氏」というのは同性カップルならまだしも、男女カップルであれば男性のことを指します。
しかしながらあろうことか、きーくんは私に男性役を求め、彼女になりたいと言い出したのです。
当然お断りをし、
「男としては見られないし私は自分を女の子として扱ってくれる男性と交際をしたいから、あなたとは友達のままでいたい」
と告げたものの、きーくんは負けじとアタックするばかり。
あまりにしつこいきーくんのアタックに、私はとうとうアカウントを放置&アカ換えするという処置に出たのでした。
きーくんと1年ぶりに話してみた!しかし…
しかしながら、ネットの世界とは広くて狭いもの。
私が高校2年生の冬、きーくんが高校3年生の冬、新しいアカウントにフォロワーが増えているではありませんか。
趣味の人ばかりで統一されたアカウント、そこのフォロワー欄にいたのは……懐かしい名前でした。
ブロックしようか、通報しようか、リムーブだけにしておこうか迷ったものの、もう1年も経っているのだから大丈夫だろう、そう判断して放置した私。
きーくんはリプライこそ送ってきましたが前のようなアタックはなく、一度DMで聞いてみても今は思いはないよというので安心していました。
しかしその後、私は自分の判断は間違っていたと思い知らされます。
「やっぱり好きみたい、諦められないんだ」
吉澤亮や真剣佑と言ったようなイケメンの言葉なら綺麗に聞こえても、所詮はネットの人間。
顔も声もわからない人に言われたところで、ましてや過去に彼女にしてほしいと言ってきた男に言われたところで女々しさしか感じません。
何度も付き合えない、男として見れない、お断りだと言っても再度、また再度と返信しないDMに返信してくるきーくん。
結局、私はまた彼をブロックし、当時使っていたアカウントをフォローしていた人から探されないように全く新しいアカウントを作ることで再度彼から逃亡をしたのでした。
恐怖!ネットの存在がリアルへ進出!
高校を卒業し、大学へと進級した私。
きーくん騒動はもうすっかり過去のこととなり、新しいアカウントで楽しく活動をしていました。
充実したキャンパスライフにはお金がいるということで、電車でのアルバイトを始めることとなりました。
しかしながら、ネットの怖いところというものを私はわかっていませんでした。
お気に入りのお店や大学の学食写真、バイト先の近くの喫茶店など、
「顔や名前さえ明かしてなきゃ大丈夫でしょ」
そう思っていた私は気軽に写真を撮ってはTwitterに上げていたのですが、それが悲劇を生むとは知りませんでした。
ある朝のこと、通勤ラッシュの時間、いつものようにアルバイトをしているとお客さんに話しかけられたのです。
電車のアルバイトで人に声をかけられるのはよくあること、どこへ行きたいのだろうかと考えながら時刻表を出し、
「はい、どういたしましたか?」
と答えたその瞬間…。
「なっちゃん、久しぶり、僕だよ、きーくんだよ」
きーくんは、私の顔も声も知りませんでした。
会ったことも、電話をしたことも、写真すら見せたこともないのに。
血の気が引いていく感覚とは裏腹に心臓がばくばくとして、気持ち悪さが込み上げてきて、後退り、後退り。
ですがきーくんはそれ以上私に声をかけることはなく、電車に乗って去って行きました。
今、この記事を読む人に伝えたいこと
バイトは、その日に事情を話して辞めました。
いきなりの退職に社員さんは渋い顔こそしたものの、過去の話をすれば納得をしてくれました。
私のアカウントはあの日から動いていません。
SNSを使うには使っていますが、お店などのツイートをするときはそのお店から離れてからすること、住んでいる場所の話は一切しないようになりました。
バイトを辞め、電車は時間も路線も変えたおかげで彼とは一度も会っていません。
ですがきーくんはずっと、使われていないアカウントのブロックリストにいます。
Twitterを開いて一覧を見るたび、私は彼のことを思い出します。
今はマッチングアプリというものが流行っていますね。
大学でも、卒業した現在でも度々勧められます。
ですが、使う時は注意をしてください。
自分のことを話す時は絶対に住んでいる地域の詳細は明かさないこと、会っても家まで送らせたりしないこと。
きーくんは酷いことをする人ではありませんでしたが、あなたの会うその人が危険でないとは限りませんので。