初プレイしたメイプルストーリーで出来た異性のネット友達と疎遠になった訳

かず

こんにちは、30代未婚男性のかずです。
この話は今から15年近く前の話です。
今ほどインターネットが普及しておらず、ネットゲーマー人口も多くありませんでした。
当然のごとくボイスチャットなどもなく、行えるのはチャットのみ。
そこで私が出会った女性とのエピソードとなります。
当時学生だった私が本気で燃えた恋とその結末をご覧ください。

出会い

当時学生だった私はリリースされて2年ほどした大人気のメイプルストーリーというゲームに出会いました。
当時特別な部活には所属しておらず、時間は有り余っていたので暇つぶし程度の思いでプレイを始めました。
チュートリアルを経てプレイすること数時間…当時は今みたいに3Dのネットゲームは少なく、2Dの世界を私はワクワクと眼を輝かせながらプレイしていました。

プレイ中にふと見慣れないウィンドウが画面に出現しました。
なんだろうと思うと、どうやら個別で発信するチャットのようなのです。
相手はかわいい女の子キャラのアバターで、私は心躍らせながら返事をした覚えがあります。

どうやら、彼女もゲームをプレイし始めたばかりのようでグループ(パーティー)を組みたいと思い、声をかけてくれたようでした。
それが私が初めてできたネット友達の『ユウ』でした。

相手のことが気になりだす

ネットゲーム初心者同士の私とユウは意気投合しました。
チャットをしていると、どうやら同県に住んでいる高校生の女の子というではありませんか。
女の子と付き合ったことがない私は、運命の出会いではないかと心躍らせた記憶があります。

その日から学校を終えて真っ先にパソコンの前に座るのが私の日課となっていました。
なぜか私がゲームにインすると必ず彼女もプレイをしていましたが、当時の私は気にも留めずに二人でグルクエをプレイしてみたり、チャットをしてお互いの話をしたりしていました。

当時は今のようにビデオチャットやボイスチャットすらない時代です。
信じられるのは相手のチャットのみ。
それでも当時の私はどんどん彼女のことが気になりだしていました。

二人のオフ会

学校から帰り、食事・入浴・トイレ以外の夕方から夜の遅くまでネットゲームに時間を費やしたと思います。
そんな生活が3カ月ほど過ぎたこと彼女から急に「オフ会をしませんか?」という話が出たのです。

話をしていると同県に住んでいること自体は知っていただのですが、どうやら電車で数駅しか離れていないという事に気が付き連絡したとのことでした。
私は自分でも驚くほど手が震えたのを覚えていますが、勿論、うれしくてという意味で。

返事はもちろん「YES」、3カ月という短い期間でしたが、日々チャットを通じて話していく中で、私の中には確実に恋心というものができていたのです。
相手の顔や本名もわからない中『どんな声なんだろう』『見た目はかわいい子かな』など様々な妄想をしていました。
勿論口には出せないような妄想までしてしまったこともあります。

オフ会をやるという運命のチャットから1週間過ぎたころ、お互いの最寄り駅の間にある駅で待ち合わせをすることになりました。
目印として私は白いシャツとジーンズ、そして赤いナップサックを背負いました。
彼女は白いワンピースで頭には、つばの長い帽子をかぶってくると連絡がありました。

集合時間は昼の12時だったのですが、楽しみすぎて前日眠れなかった私は寝坊をしてしまい、1時間ほど遅れていくことになってしまいました。
当時メールアドレスの交換もしておらず、本名もオフ会をしたときにお互いに教えあおうと話していたので慌てて集合場所へ向かったのを覚えています。

最寄り駅に到着して申し訳ない気持ちと、飛び上がるほどウキウキしている心が互いにせめぎあいながらも、駆け足で集合場所へ向かいました。

出会わずして…

集合場所には目印となる白いワンピースと帽子をかぶった一人の女性の後ろ姿が見えました。
いや、本当のことを言うと女性なのかも怪しかったです。
何故なら後ろ姿から見えるその方は明らかに横幅が広く、見える足からは男性を思わせるような毛深い様が見えたのです。

当時高校生だった私は戦慄しました。
そう、私が恋焦がれていた女性は今でいう『ネカマ』だったのです。

慌てて今まで来た道を回れ右して家に逃げ帰った記憶があります。
そしてそこから私はメイプルストーリーをプレイすることはありませんでした