名前
この記事は私が19歳の専門学生だったときの話です。
私は一時期ネットゲームに激はまりしていました。
ただそれだけで嬉しい出会いをしたのです。
そんな専門学生の頃の一時期のお話をしたいと思います。
ただ興味があって始めただけだった!
私はただ一度ネットゲームにはまったことがありました。
別にそこで友達づくりをしたかったわけではありません。
遠く離れた地で一人暮らしを始めて、私は寂しかったのです。
私の地元は高知で、岡山の専門学校に行きました。
これがなかなかしゃべり方を理解されないし、逐一笑われたり、イントネーションの違いに驚いたりするんですよね。
だから学校の友達にもいまいち馴染めず、一人寂しい思いをしていました。
何かに逃げたかったのかもしれません。
逃避したくて長期の夏休みに私は一人前から興味があったネトゲを始めたのです。
夏休みにギルド所属!ギルド仲間と急接近
そのネトゲはもう名前すら忘れてしまったのですが、ギルドに所属でき仲間を作れるし、チャットもできる仕組みでした。
私はもともと早く打つことは得意だったので、チャットも難なくでき、そこで新しいコミュニティを築いたわけです。
夏休みになるまではギルドなどに所属しませんでした。
時間もそんなにたくさんあったわけではなく、なんとなく人と関わりたくなくてギルドに入りませんでした。
でもしばらくしてちょっとゲームに慣れてきて、丁度夏休みになって暇ができたし、ギルドに入ろうと思ったんです。
寂しさを感じて仲間を作りたかったのかもしれないです。
だから私はとある新しくできたギルドに所属することになりました。
そこで知り合った仲間の一人が彼でした。
彼とは毎日狩りをして急接近しましたね。
毎日会う内にどんどん打ち解けていけた!
私は今まで同性の友達だって少ないのに、異性の友達はできたことがなかったです。
今の学校ではちょっと話すような友達しかいなかったし、だからまさかこんなネトゲという世界で、友達が作れるだなんて夢にも思いませんでした。
でも同じギルドで毎日会って、チャットで話して、一緒に狩りをしている内に彼と話すのが楽しくなって、急速に打ち解けてきたのです。
ただ、実は私のアバターは男性のものでした。
だから最初、相手は私を「男」と認識して話していたのですよね。
私もその方が気軽に話せたので良かったです。
口調もなるべく男性に近づけていました。
だからか向こうの彼も特に気にせずさくっと話しかけてきて、仲良くなれました。
ギルドの中でも毎日のようにログインして遊んでいるのは私と彼だけで、その理由もあってどんどん仲良くなりました。
私はいつしかゲームをやることより、彼とどーでもいい話をすることの方が楽しくなってきて、毎日朝から夜までネトゲ三昧でした。
突然彼に「今度一緒に遊ぼう」と言われて戸惑った
そうやって何日もネトゲで彼と遊んでいたら、次第に私は彼に親近感を抱いていました。
こんなに話やすくて馴染める友達は専門学校にもいませんでした。
ただ私は当時はネットはネットでバーチャルの世界と思っていたので、会うなんて発想まったくなかったです。
ただこの暇な時間を一緒に過ごしてくれる人が欲しかったんです。
そんなときに彼に「今度一緒に遊ぼう」と誘われて、驚きました。
最初は意味が分からず戸惑ったんです。
だけど話している内にリアルで遊ぼうという話だと分かり、私は焦りました。
だって私は「男」ではなく、「女」だからです。
会ってしまったら女だと隠していたことが相手にバレてしまうと思って焦りました。
正直に自分のことを嘘偽りなく伝えたら…
その後も何度も彼に会おうと言われて、その内だんだんとほだされ、私も会いたくなりました。
彼に対して恋愛感情のようなものは不思議となかったです。
それに彼も私を男と思っています。
だったら自分の性別さえ正直に話したら会っても大丈夫なんじゃないかと思って、私は彼に自分が女であることを告げたのです。
そしたら彼の反応は想像以上にけろっとしたものでしたよ。
「へえ~、そうなんだ!」
という感じで大して大きな反応はなく、嘘をついていてもまったく気にしなかったようでそれでも気にしないから遊ぼうと言ってきました。
こうして私は自分の性別を嘘偽りなく訂正し、彼に会ったのです。
ネトゲであれだけ馴染んだ仲だったのに実際に会う時は本当に緊張しました。
でも彼は本当に緊張してなくて、それが面白くて一緒にいる時間はものすごく楽しかったです。
私は思いの外彼の前で自然体になれ、ネット友達になれました。
それからの二人
それからもお互いにネトゲでリアルの愚痴を話せる友達になりましたね。
専門学校で友達に馴染むまで、彼とは本当に仲いい友達になれました。
彼はその後彼女ができ、私は専門学校での生活が忙しくなり、次第にネトゲをする時間が減って行って、自然と繋がりはなくなりました。
でも確かにあの一時期私たちはお友達でした。
誰よりも本心を言える友達で、親友みたいでした。
そんな友達に一時期でも会えたがの嬉しいです。
今は彼の連絡先を知っているくらいで、繋がりはまったくありません。
お互いの生活があるので、なるべくリアルは邪魔しないでおこうと思っています。
それでも寂しかったあの頃の私の心の支えになってくれた彼の存在はとてもありがたかったと思っています。
ネットでも友達は作れるということを実体験できました。