まる
今からちょうど二年前、知らない人と繋がる通話アプリで知り合った当時アメリカのシアトル在住だった彼がいました。
大好きで、距離も時差も乗り越えようとした若さあふれるエピソードを書きます。
彼に会いたくて会いたくて、時差16時間、距離7,700キロの渡米!?
最後まで読んでいただけると幸いです。
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通話アプリを使ってみた
今から二年前、ひとり暮らしで平日休みのため、友達とも休みが合わず休日は一日中家でごろごろして終わる日々が多かった独身時代の私。
人肌寂しい時にいろんな人と会えるマッチングアプリにはまっていました。
ある休日の日、
「外に出るのはめんどくさいけど、誰かと話したいなぁ」
と思い、アプリ検索をしてみました。
すると、知らない人と繋がれる通話アプリを発見し、すぐにインストールしました。
キモイおじさんばっかりだったらやめよーと思っていましたが、学生さんや同じ平日休みの人、トラックの運転手さんが仕事中に会話したくて使っていたり、普通の人ばかりでした。
運命のネット友達と繋がった
電話がつながるとだいたいみんな
「どこ住み?いくつ?」と聞かれる流れが定番で、相手に聞き返すと「アメリカのシアトルだよ」と言われました。
あー嘘ね、はいはい。
と思っていましたが、
ビデオ通話にしてもらうと外は真っ暗、こっちはまだ夕方です。
「信じてもらえた?」
という彼は、私より二つ上の大学生でした。
英語が堪能で頭も良くて、広い世界で暮らしている彼と話しているだけでとっても楽しく、すぐに時間が経ってしまいました。
二時間ほど話すと、「もうそろそろ寝なきゃ」と言われ、もっと話したいのにという気持ちをおさえていると「ライン教えて」と言われました。
また話せるんだ!という嬉しさのあまり顔のにやけが止められなかったです。
会話のテンポや笑いのツボが合うのが心地よく、私が知らないこともたくさん知っていて、正直既に彼に惹かれていました。
そこから毎日連絡を取り合うようになり、電話は私が寝る前に彼は学校へ行く前の朝にしていました。
シアトルの時間がわかるように時計を設定し、めちゃくちゃ大好きな彼に少しでも近づきたくて必死でした。
ついに、渡米する
二か月くらい連絡を取り合っていたとき、「会いたいよね」なんて言葉がお互いに出るくらい二人の仲が深まっていました。
そこで私は提案したのです。
「夏休みにカリフォルニアディズニーに行こう!」
彼に会いたくて仕方がなかった私は、必死に働き節約生活をして貯金をして、彼に会いに行こうと決めていたのです。
彼はとっても驚きとっても嬉しそうで、そんな彼が愛おしくて早く抱きしめたい気持ちでいっぱいでした。
そこから毎日が楽しくて、暇さえあればカリフォルニアディズニーをネットで検索したり、旅行代理店でパンフレットをもらって眺めたり、早く夏休みにならないかなあとそわそわしていました。
彼とも計画を電話で進め、日にちが決まり、時間も決まり、航空券を買い、ホテルも予約し、どんどん決まって行くと同時にどんどん気持ちも高ぶっていきました。
彼に会いに行くために一人で計画を練って予約する行動力に自分でも驚き、恋の力ってすごいなと感心しました。
自分への甘え
距離と時差がある彼を追いかけてると、寂しいんだよね。
マッチングアプリで知り合った男の人の家に泊まりで遊んじゃった。
最低だけど。
罪悪感で彼との電話の時に顔と態度に出てたみたいで、ばれちゃったんだよね。
彼に「最近旅行の計画立てようとしないし、パスポート取りに行かないし、なんかあった?」と聞かれた私は勘が鋭い彼にかなうわけもなく、すべて白状しました。
「俺も寂しい思いさせてごめん。
でも寂しかったなら電話してほしかった。
ディズニーは行けない、その信用は無くなった。」とはっきり言われました。
何てことしたんだろうと、後悔してもしきれず涙が止まらなかった。
ばれないだろう、何があっても好きでいてくれる、まだ正式に付き合っているわけじゃないしという都合のいい考えで自分を甘やかしていました。
シアトルに来るなら案内するよと彼に言われましたが、航空券やホテルを予約したことが現実味を帯びてきて、どうしてしまったんだろうと思うくらいに彼に会いたい熱が急にぱっと冷めてしまい、すべてキャンセルしました。
そこから彼との連絡も少なくなっていき、お互い本気だったからこそ気まずくなっていき、あんなに笑いあって楽しかった電話も、無言の時間が多くなっていきました。
それから二年間もこれからも連絡を取ることはなく、お互いの思い出として心の中だけに残っていくと思います。