さや
20代前半の時、車のSNSで知り合った40代半ば男性との思い出話です。
メル友から始まり、遠距離恋愛、同棲、同棲その後、敵は一人じゃなかった衝撃の展開までのお話を書いていこうと思います。
SNSでの出会い
当時、車が好きで好きで仕方がなかった私は、みんカラという車のSNSをよく見ていました。
自分の周囲だけではなく、どんなチューンを施した車があるのか、外の世界を見るようで楽しく活用していました。
私が乗っていた車は、車好きな女性でも滅多に乗らないようなスポーツカー。
全体の割合から見ても少数派です。
ある時見ていると、ショップのデモカーのような車を見つけました。
しかし個人所有とのこと。
私は嬉しくて彼に早速連絡をとったのです。
そこからは、ネット友達として、お互い車の話や他愛ない話、色々なことを話す間柄になりました。
遠距離なのに?
どんどん親密になり、頻繁に
「会いたい」
と言われるようになりました。
私も好意はありましたが、すぐに行ける距離ではないので、あくまでも「ネット友達」と思っていました。
すると、彼が往復の新幹線のチケットを私にプレゼントしてくれました。
彼に会えるなんて夢のよう!
彼の車が見れるのもとても楽しみでした。
実際会ってみると、恰幅がよく、色黒でとてもイケメンとは言い難い方でしたが、細かいところも気遣ってくれる大人っぽいエスコートで、ぐいぐい引っ張っていってくれる彼にその時には既に惹かれていました。
地元に戻ってからも、
「早く会いたい」
「好きだ」
と言われ、私も同じ気持ちで、その後数回新幹線のチケットを送ってもらって会いに行きました。
遠距離からの同棲
ある日、
「同棲しよう。働かなくても、俺が食わせてやる!」
嬉しくて、仕事を辞め、荷物をまとめて彼のところに行きました。
彼は、朝早く仕事に向かい、11時くらいには仕事が終わり、昼頃には帰ってくる生活でした。
一緒にいられる時間が長いこと。
彼が言っていたように、収入が多いので、働かないで彼と一緒にいられること。
本当に幸せを感じていました。
彼の友達にも紹介してくれ、みんなで彼の家に集まり、車談義をしてとても充実した日々を送りました。
気付いた時には
しかし、いつからかそれらはガラッと変わりました。
彼の友達が家に集まり、車談義に花を咲かせていると、方針が違う人も中にはいたりします。
そんなとき彼は、その方を完膚なきまでに論破してしまいます。
全体の空気が、彼の機嫌によって左右されているようでした。
そのあたりから気付いたことがあります。
働かなくていい → 外に出たらどこで何をしたか詳細を伝えないと怒られる
料理も俺がしてあげる → 彼の家で、私が何かすることは許されない彼の機嫌を損ねると、スポーツカー用の椅子を投げつけられたりするようになりました。
精神的にもボロボロになり、精神科に通うように。
彼は外面がいいので、私の精神科にも付き添います。
当時飲んでいた薬には、真っ赤な文字で「劇薬」と書いてありました。
それを見て彼に隠れて一人で泣き崩れました。
私の決断
その地で親しくなった人に連絡して、彼がいない3~4時間のうちに荷物をまとめて警察に駆け込みました。
取調室に入って、証拠のメールを私の顔とともに撮影もされました。
警察が彼にDVをやめるよう、電話をしてくれるというので傍にいて内容を聞かせてもらいましたが、警察相手にも彼は逆切れしていました。
もう、無理。
車で行ける距離に親せきが住んでいたので、そこに駆け込みました。
仲が悪い親せきで、私のことを忌み嫌っていましたが、押しかけられたので仕方なく、住ませてくれました。
彼からの付きまとい行為はしばらく続き、外出するのが非常に不安でした。
「どこにいても必ず見つけ出してやる、いくら逃げても無駄だ」
今では現実的ではないようなメールの文面でしたが、その時の私には効果てきめんでした。
カーテンを開けるのも怖く、一切外出できない日々が続きました。
自分の縄張りに呼び込むまでは誰よりも優しく、囲い込んだ頃から徐々に徐々に、人柄が変わっていきます。
反発できないように仕立てられていきます。
本当に、心身共に怖い思いをしました。
甘い言葉には裏がある
その彼と、共通の友人が何人かいたのですが、
「大丈夫?」
と心配してメールをくれる人が数人いました。
毎日怯えて過ごしていた私にはとてもありがたかったです。
しかし、その共通の友人の一人からこんな連絡が、
「A(共通の友人男性)は、彼(私が同棲していた人)から逃げていった女に優しく声かけて、襲ってた過去あるから連絡来ても気を付けて!」
Aさんは確かに元気づけようとメールをしてきてくれていました。
でもその人が彼の元カノに手あたり次第手を付けていたなんて…。
どの人の話が本当か分からなくなり、共通の友人達との連絡は全てやめました。
その後の私
それから何年も経ち、お付き合いした人もいました。
どんな優しい言葉も、本心か確かめる方法はありません。
それでも、誰かを好きになることはあります。
私は、好きな人ができると、必ず周りの友人にどんな人か事細かに説明するようにしています。
もし、事件になったとき、少しでも友人の証言が参考になるように。
いえ、そうじゃなくても、客観的な判断が必要だと思ったからです。
「恋は盲目」素敵な言葉ですが、相手がどんな人なのか、見極める、客観的にどんな人か聞いてもらう、今はそうやって慎重に人を好きになるようにしています。
ネットで知り合うのがベーシックな時代、パンドラの箱から希望を見つけていきたいです。