人を信用しない私がネット友達の言葉で自殺を踏みとどまった理由

むらお

はじめまして、十代後半の女性むらおと申します。
この記事は今から一年ほど前の話。
とある配信アプリで出会った年下の男の子との思い出を書きます。
人を信用することのなかった私が男の子の言葉で踏みとどまった理由はなんだったんでしょうか?
よければ、最後までお付き合いください。

はじめましてのあの日

私は、とある誘いから某配信アプリをインストールし、配信し始めました。
はじめはもちろん、誰も見に来てくれませんでした。
そんな時、とあるゲームをしていたときにそのネット友達が入ってきたのです。

「こんにちは、ホラゲーがお好きなんですね」
それからお互いにどんどん話が弾んで個チャでもやり取りをするようになりました。
しばらく配信を続けるとリスナーさんがたくさん増えていきました。

夜行性な私がとある夜中に配信していた出来事です。

ネット友達からの思いがけない告白

夜中だったため他のリスナーさん数人と話をしていたところに彼が入ってきてこういったのです。

「俺、明日から配信いけないかもしれない」
え、どうしたの?

「実は、保護施設にいかないといけないかもしれないんだ」
え、どうして?

「前に、私ちゃんにも言ったでしょ?それでね……」

彼は事情を話し始めました。

私とリスナーさんは彼のことが大好きです。
だから、彼が配信に来なくなるなんてことは嫌でした。
でも、何の力も持たない私は慰めの言葉を口にするしかできません。

そんな自分に悔しくなって彼に会えなくなるのが悲しくなって話しているうちに涙が出てきました。
彼を慰めていたはずが私が慰められる配信になっていました。

リアルな私

さて、ここまでお読みになった皆さん不思議になったことがあると思います。

「彼に何もできないから自殺したくなったの?
それは背負いすぎじゃない?」

そうです。
ここまで聞くと私が自殺する理由はないですしむしろ自殺しそうなのは彼のほうですよね。
しかし、今までのは「配信者である私」の姿であって「生活している私」とは違います。

私は元陸上部で県内では上位成績を収めていました。
高校の途中までは。

実は、高校で寮に入っていたのですが寮の仲間やクラスの友達、先生、先輩すべての人とそりが合わず部活でもずっと一人。
「気のせい。気のせいだよ」
とごまかしてやっているうちに心身がボロボロになっていることに気が付かず限界を迎えていました。

丁度そんな時、幸か不幸か二度と陸上のできない足になりました。
手術の後遺症で足に痺れが残っていたり、長時間運動ができなかったり。

やめると伝えた私に先生は、
「もう少し頑張ってほしかったな。」

この言葉を聞いてすごく悔しかったです。
今まで我慢してきたのはなんだったの?
なんでこんな人たちに陸上人生壊されなきゃいけなかったの?

そのまま、寮をやめ家から学校に通うようになりました。
それでも、限界を迎えていた心身には酷だったと思います。

朝は5時30分に起き学校に向かう準備をして6時には家を出ます。
そこからさまざまな公共交通機関を使って学校に向かっていました。
体も心もボロボロのままこんな生活を続けていたので、しばしば体調を崩しては学校を休みがちになりました。

それでも、配信は毎日続けて100日を超えたある日のこと…

私とネット友達と自殺

結局彼は、保護施設にいかずに済みました。
私と彼はもっともっと仲良くなり、メールをする仲に発展していました。

ある配信終わり、電話をしていた時です。
急に、過呼吸が起きて何もしゃべれなくなりました。

電話の向こうから心配する彼の声がかすかに聞こえていましたが、私は我を忘れたかのように
「ちがうちがうちがうちがう」
と何度も何度も繰り返していたのです。

私には、時折起こる発作のようなものがありました。

この日は、かなり重度で無気力になり思考が停止し
「もうどうでもいいや」
「なんでもいいや」

そういう考えがずっと頭の中をループしていきました。

私の手が首にかかって首をギュッと締め上げて意識が遠のいて手が外れたところで彼が
「なにしてるの!?ねえ、おいていかないよね!?」
そう叫んだのです。
その声だけははっきり聞こえました。

それから、彼は

「一人にしないでよ。
おいていかないでよ。
いい子にするから。」

私は、彼の地雷に触れてしまったんです。
知ってたはずなのに。

こんなことを言われたらおいていけないじゃないですか。
こんな言葉で止まる私の自殺も私を必要として叫ぶ彼もお互い依存していますね。

それから彼にすべてをぶちまけて「自殺はしない」という約束をしました。
お互いに必要だから。

これが私が自殺未遂で済んだ理由です。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。