ネット友達が私を変えた!中年おばさんに突如訪れた千載一遇のチャンス

塔子

こんにちは 塔子です。バツイチで54歳、旅館業に従事しています。

4年前に私の中で弾けた、中年おばさんが一晩だけ女の輝きを取り戻し、新たな自分の可能性を信じることができるようになったちょっと切ないけど勇気がわくお話です。

もう会うこともない彼に感謝しつつ、そのエピソードを紹介します。

ネット友達は異文化交流サイトで

当時日本の至る所でオリンピックに向けての準備がされていました。
外国人向けの看板やパンフレットの充実など、それとともに外国人観光客も日々増加して、私が働いていた旅館も片田舎ながら、同様の状態でした。

自分の仕事のスキルをもう少し上げたい、と切にねがっていた私は、ある日ネットから「海外言語文化交流」というサイトを見つけました。
お互いの母国語を教え合うという趣旨で、登録者もかなりの数でした。
聞く、読むはできても発信力に欠けていた私には願ってもない場所、と思いすぐに登録をしました。

この時に自分との約束事として毎日何かしら発信をすると決め、40代から50代の英語を母国とする方々と交流するようになりました。
日常の何気ない事を写真に撮りアップしたり気持ちを言葉にしたり、それを相手側が正しい英語に直してくれる。
そんなやりとりからのスタートでした。

勘違いから始まった本音トーク

異文化交流もだんだん生活の一部に組み込まれてきたある日、趣味や感じ方が似ているシカゴに住む彼女と、ジャズのことでひとしきり盛り上がり、私が
「ねえ、やっぱり同性同士の会話が一番くつろげるね」
とメッセージすると、

「えっ」
と驚きの一言。

数秒後
「私は男性ですよ」
と返ってきました。

反対に驚いた私は、
「お名前が〇〇さんでしょ?」
と。

「ニックネームだからね」
と笑い、

「大丈夫、あなたはとってもチャーミングで面白いひと
「そのままでオーケー」
と返ってきました。

お互いの顔が見えなかったのが原因だ、ということからこれを機にビデオトークに切り替えようと向こうから提案してきました。

同性だからこそいえた本音や、おたがいの部屋の写真を交換したり、バツイチの苦労話などなど思い出したら赤面することばかりでしたが、それが逆に私に腹を括らせた要因でもありました。

シカゴの男性が助手席に?

ビデオトークは週3回30分、と決めてお互いにその日のテーマを考え話すようにしました。
もともと穏やかな彼は英語の発信力の弱い私を笑顔で待って聞いてくれ、分かりやすい言葉で言い換えてくれたりと、とても充実した時間をもつことができました。

それから5回めのトークの中で
「〇〇市は日本のどこらへん?」
ときいてきました。

「そこって私の隣の県で、車で2時間で着くよ」

なんと彼のチームで視察も兼ねた旅行があり日本の数カ所にグループごとに訪れることになっているそうなのです。
そして彼のチームはその〇〇市に決まったそうなのです。

もともと妄想癖の強い私は、彼との食事風景、ドライブなどなど想像が膨らみ、ワクワクしていました。
こんな奇跡のようなチャンスを逃してはいけないと思い、勇気を出して最終日のフリーの1日を観光ガイドとして会って欲しいと申し出たところ彼も喜んで了承してくれ、ホッとしました。

当日はお天気も良く観光日和でした。指定した駅の改札で待つこと10分、奥から白のポロシャツに淡い茶色のパンツ姿の紳士が見えました。
実際の彼は数倍すてきで、わたしは悲しいくらいにこわばった笑顔でした。

軽自動車の助手席は少々窮屈のようでしたが、自然いっぱいの景色、お気に入りのジャズという中で二人は次第に打ち解けて、近くにお互いを感じられるようになっていきました。

観光名所を2、3か所巡り、夜は予め予約を入れておいた郷土料理のお店で過ごしました。
地酒の3合目に入った頃から二人とも恥ずかしげもなくスキンシップをとり、いろんな話をしました。

あっという間に時間はたち、彼のホテル前までゆっくり散歩し、春の乾いた空気をかんじながら私は彼に抱かれたい、エッチしたいと本気で願いました。

するとそれを受け取ったかのように彼はくるりと振り返り私をグッと胸に引き寄せました。
数秒間意思確認をするかのように見つめ合い、流れるまま部屋に入っていきました。
散々喋り尽くした二人にはもう、言葉は必要なくただ静かに時を惜しむかのように、深く深く愛しあいました。

その後の二人は、、、

あれからすでに4年が過ぎました。

彼はシカゴで相変わらず仕事をし、ジャズ情報を私に送ってくれます。
私も、念願だった土地へ引っ越しをし新たな職場で去年の春から仕事をしています。
彼との一夜を時々思い出すことはあっても、不思議と切なさはありません。

ネット上の友達だから、一夜限りの関係とお互いわかっていたからこそ大胆になれたし、あれが私の硬い殻を破って新たな人生をスタートさせてくれた、といい思い出して心にしまっておこうと思っています。