ネット友達に通っている高校がバレたら、学校祭にアポなしで来ちゃった話

ミウ

こんにちは、30代前半女性のミウです。

今から18年前の高校時代に運営していたオリジナル小説サイトによくアクセスしてくれていた社会人の男性との思い出をお話ししたいと思います。

メールで確実に仲を深めていた二人を引き裂いた「事件」とは!?

ぜひ最後までご確認ください。

はじめてできたネット友達

今から18年前、私が小説を書くのが好きな女子高生だった頃。

実家にADSLが導入され、インターネットに繋ぎ放題になったことをきっかけに、自分が書いた文章を掲載するオリジナルサイトを立ち上げました。

とはいえ、他の小説投稿サイトにリンク掲載依頼をしてもなかなかアクセス数は伸びず、しばらく自分自身のアクセスだけがカウンターに反映される日々が続きました。

そんな中、ある日「R」を名乗る男性から掲示板に書き込みがありました。

Rさんは私と同じくオリジナル小説サイトを運営している社会人の男性で、私の小説の感想を丁寧に書き込んでくれていました。

ここからRさんと私の交流が始まったのです。

お互いを知り、仲が深まる

初めはお互いのサイトの掲示板で行われていたやりとりは、いつしかメールに移行していました。

メインの話題はお互いの小説を読んだ感想。

私は初めて自分の読者ができたのが嬉しくて、メールが届くのをいつも心待ちにしていました。

メールはお互いの日常の話題になることもありました。

Rさんの仕事のこと、面白かった本や漫画のこと。

そして偶然にもRさんは私と同じ市に住んでおり、「地元トーク」でも大盛り上がり。

私は学校での出来事を話すこともありました。

その中で私は学校祭が近いこと、学校祭実行委員として頑張っていることを伝えていました。

もちろん通っている高校は明かしてはいなかったのですが、地元が同じRさんは
「なんとなく見当ついちゃったかも」
とメールに書いてきました。

その時は深く考えず
「えー、わかっちゃいましたか?」
などと流したように思います。

その曖昧な返答が後に招く事態を、その時は予想もしていなかったのです。

勇み足の学校訪問

学校祭当日、私はステージ発表が行われている体育館で実行委員会の仕事をしていました。

するとジーンズのポケットに入れていた携帯電話に実行委員会の仲間から着信が。

何か緊急事態?
と電話に出てみると

「ねえ、○○って名前に心当たりある?」

と、突如私のハンドルネームが耳に飛び込んできたのです。

学校では内緒にしていたはずのその名前をなぜ彼女が知っているの!?
パニックになりました。

それでも平静を装って
「〇〇がどうかしたの?」
と尋ねてみることに。

すると
○○さんに会いたいっていう人が、学校祭実行委員会本部に来てるんだけど」
と、彼女は答えました。

すぐに
「Rさんだ!」
とピンときました。

正直知らないふりをしたい気持ちもあったのですが、応対してくれている仲間を放っておくわけにはいきません。

その場で
「〇〇は私です」
白状することになりました。

しばらく後に、電話をくれた彼女に連れられて体育館に姿を表した痩せ形、メガネの男性。

それがはじめて対面するRさんでした。

その場でしばらく立ち話をしたはずなのですが、気が動転していたこともあって内容はあまり覚えていません。

そんな中、強烈に記憶に残っているのは、Rさんが地元の有名菓子店のゼリー詰め合わせ
「良かったら食べてください」
と差し出してくる姿。

ステージ発表の重低音が響き渡る薄暗い体育館になんともミスマッチなその光景は、当時の私には「コワイ、不気味」と映ったのでした。

苦くて酸っぱい置き土産

それからRさんからは
「ぜひまた会いたい
とメールがきました。

突然の訪問の衝撃から立ち直れなかった私は、今までのようにマメに返信をすることができなくなっていきました。

するとだんだんやりとりのペースは落ちていき、数ヶ月後にはネット上での交流は途絶えてしまいました。

そうして私は初めてできたネット友達を失ってしまったのです。

その後大人になってからはオフ会に参加したりもしているので、Rさんとももう少し交流を深めた後に直接会っていたのなら、また違う未来が会ったのかもしれません。

けどネットでの交流に慣れていない女子高生にとっては、突然会いにきた大人の男性はただただ怖かったのです。

ものには罪はない、ということでRさんに頂いたゼリー詰め合わせは美味しく頂きました。

その中でも梅ゼリーが絶品だったのですが、どうしてもRさんの思い出とも結びついているそれは、店で見かけてもなんとなく買いにくくなってしまいました。

そうこうしているうちにその菓子店のゼリーのラインナップから梅がなくなってしまい、その絶妙な甘酸っぱさを味わうのは最初で最後になってしまったのです。