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この記事は、私が当時運営していたブログを通じて出来た友達との思い出です。
年齢も近く、共通点も多く、とても気の合う男性と知り合いました。
そんな男性との思い出、ぜひ最後まで読んでいただけると嬉しいです。
ブログに出来た最初の読者
今からずいぶんまえ、「ブログ」というものが世の中で流行りだしたころのことです。
文章を書くのが好きだった私も、流行に乗り、ブログを作成しました。
とはいえ、宣伝などをしていたわけでもないため、訪問者はあるものの、最初はそれほどの手ごたえもなく、ただ書くことだけを楽しんでいました。
そんなある日、読者が出来たのです。
相手は3つ年上の男性でした。
彼もブログを持っていたので、相互で読者になりました。
彼は毎日のようにブログにコメントを書いてくれました。
それがブログを書く上で、大きなモチベーションとなっていたのは、いうまでもありません。
毎日のコミュニケーション
朝起きると、彼からコメントが入っているのを、嬉しく思うようになりました。
いま思えば、彼が、私にとっては、初めてのネット友達でした。
今は、TwitterやInstagramなどで、比較的すぐに友達が出来たり、そこからLINEを交換したりして、人と交流することは増えました。
さほど抵抗も感じたことはないですし、あまり嫌な思いをしたこともありません。
しかし、当時の私にしてみれば「知らない人と毎日コミュニケーションをとる」というのは異例のことでした。
最初はコメントでしたが、やがて、ブログ内のメッセージを利用するようになりました。
そしてメールアドレスも交換しました。
彼は非常に丁寧で知的なメッセージを毎日送ってくれました。
素敵な人だな、と、いつも思ったものです。
とはいえ、当時から私はすでに既婚者でした。
正直なところ彼には特別な感情はなく、
「初めてブログで友達ができた!うれしい!」
という程度の相手でした。
その相手が知的で、話もスマートで面白く申し分のない相手だっただけのことだったのです。
しかし、そんな関係は次第に変化していきました。
気持ちの変化
ある朝のことです。
彼からのメッセージの終わりに、「愛してます」と書かれていたのです。
これには、もう言葉にできないほど、とても驚きました。
私には、彼は「ネット友達」だったからです。
慌てて私は彼に返信しました。
「すごくびっくりしたんだけど、どうしたの!ああいう冗談は良くないよ、勘違いしちゃうよ」と。
すると彼からは、とてもとても丁寧な返事が来ました。
長くやりとりをしているうちに、友情が、愛情に変わったということ。
会いたいこと。
普段のメッセージと同じように、とても丁寧な内容でした。
でも私には「ありがとう」としか言えませんでした。
不快ではありませんでした。
むしろ、そういう素敵な男性に好かれたこと自体は嬉しかったです。
それでも気持ちに応えることはできないため「ありがとう」しか言えませんでした。
初めてのネット友達とのその後
一度だけ彼とデートをしました。
デートといっても、観光と食事だけの、とても健全なデートです。
楽しく1日を過ごしましたが、やはり、友達としての付き合いがいいな、と改めて思いました。
彼からは相変わらず愛のメッセージが届き続けていましたが、私は、感謝は伝えても、それ以上は何も言いませんでした。
そして返信を少しずつ減らすようにしました。
せっかくできた友達と疎遠になるのは寂しい気持ちもありましたが、どうすることもできないからです。
あれからずいぶんと時間が経ちました。
彼とは今も、ブログとは別のSNSで繋がっています。
最近になり、彼が結婚したことを知りました。
ちょっと寂しいような気もするけれど、初めてのネット友達の結婚を、心から祝福しています。
今でも、当時のことをときどき思い出します。
忘れられない思い出です。